電車で奉納されるササユリ~大神神社から率川神社へ
毎年、大神神社では、摂社の率川神社で行われる「三枝祭」(さいくさのまつり、別名「ゆりまつり」)に先立ち、率川神社へササユリを届ける「ささゆり奉献神事」が行われます。大神神社(桜井市)と率川神社(奈良市)は20kmほど離れていますが、ササユリはJR万葉まほろば線(桜井線)の電車に乗せて運ばれます。今回はその珍しい光景を見学しようと思い、大神神社へと出かけてきました。
ささゆり奉献神事当日の6月16日は朝9時半ごろ大神神社に到着しました。9時から行われた道中安全祈願祭は既に終了しているようです。
拝殿の前にはササユリの駕籠が置かれていました。
この神事は、率川神社のご祭神「媛蹈韛五十鈴姫命」が三輪山の麓、ササユリが咲き誇る狭井川のほとりにお住まいだった故事にちなんで行われるものだそうです。奉納されるササユリの数はおよそ200本。
10時過ぎになると背中に「ゆりまつり」と書かれた法被を着た方々が駕籠の周りに集まってこられました。
出発時間の10時15分になると、駕籠には長い竹の棒が通されて、持ち上げられます。そして担ぎ手さん以外の方たちにはノボリが手渡されていきます。
そして、太鼓の合図とともに出発。
ササユリの駕籠は、参道から商店街をぬけてJR三輪駅へと進んでいきます。
ササユリは芳しい香りを周囲に漂わせながら運ばれていきます。
そして15分ほど歩いてJR三輪駅に到着。ここではJRの職員さんたちも待ち受けています。
通常の改札からは入れないので、団体用の入り口から籠はホームへといれられました。電車が到着するまで、しばしホームで休憩。
そしていよいよ奈良行きの電車が入線してきました。
駕籠には白い布がかけられ、車内へと運ばれます。
ササユリの駕籠は最後尾(2両目)の乗務員室前に置かれました。この電車は貸し切りというわけではないので、一般のお客さんもたくさん乗車されています。突然の珍客に驚かれたかもしれませんが、車内はササユリの爽やかな香りに包まれたことでしょう。
「せっかくなので、奈良まで付いて行こう」と話されている見物人の方もいらっしゃいましたが、三輪までバイクで来ていた私はホームで電車を見送って見学を終えました。少し前に万葉まほろば線の車両が来春以降、新車に置き換えられるというニュースが流れていましたので、ササユリがこの国鉄型の古い車両で運ばれる姿は今年で見納めとなるかもしれません。
この後、JR奈良駅に着いたササユリは、「花車」に移され、行列にササユリを描いた浴衣に菅笠姿の女性らが加わり、「ささゆり音頭」を舞いながら率川神社まで練り歩いたそうです。休みがあえば、来年はその華やかな様子も見に行きたいところです。
ささゆり奉献神事、三枝祭の流れ
(2018年度の場合)
●ささゆり奉献神事
6月16日(土)
9:00 奉献神事道中安全祈願祭(於、大神神社)
10:15 大神神社出発
10:43 JR三輪駅より奈良行電車に乗車
11:11 JR奈良駅着。ささゆりを花車にのせて率川神社に向けて行列出発
12:30 率川神社に到着後、ささゆり奉献奉告祭(於、率川神社)
●率川神社・三枝祭(いさがわじんじゃ・さいくさのまつり)
6月16日(土)
15:00 宵宮祭
6月17日(日)
10:30 三枝祭(例祭)
13:15 七媛女(ななおとめ)・ゆり姫・稚児行列安全祈願祭
引き続き市内巡行(約2時間)
6月18日(月)
10:00 後宴祭
16:00 奉納演芸開催
※今回紹介したのは上記赤字部分のみです。
■公式サイト
【三輪明神 大神神社】
【率川神社】
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