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Author:ichibou
ならまち育ち。長年東京に暮らすも、現在は奈良に戻り、その魅力を再発見中。「見仏記」の影響で仏像鑑賞が趣味に。

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九品仏浄真寺の九体阿弥陀とアフロ仏(東京)

浄真寺総門
数年前まで東京に住んでいたのですが、当時はそれほど仏像やお寺に興味がなく、今思えばあの頃行っておけば良かったと思う寺やミュージアムが多々存在します。今回訪れたのは、そんななかの一つで、「九品仏」(くほんぶつ)の名でも知られる浄真寺です。かつては浄真寺からわずか4キロほどしか離れていないところに住んでいたのですが、当時はその存在すら知りませんでした。


九品仏駅
浄真寺の最寄駅は東急大井町線の「九品仏駅」。この駅はホームが短く、ドアが開かない車両があるという都内でも珍しい駅。初めて九品仏の駅に降り立ったので、実際どうなっているのかとホームの端までいってみると、確かに一両はみ出して停まっておりました。道路を挟んで向こう側にも小さなホームが見えますが、これは車掌さん専用のようです。


浄真寺参道
さて、駅を出て商店街を左の方へ少し歩くと、すぐに参道の松並木が見えてきました。


浄真寺総門
並木道の突き当りには総門がありました。門前の案内板によると、開山は江戸時代の高僧「珂碩(かせき)上人」で、1678年に奥沢城であった場所を賜り、このお寺を創建したとのことです。


九品仏のイチョウ
(都天然記念物・九品仏のイチョウ)
境内は思った以上に広く、自然も豊かです。ここは自由が丘から歩いても10分程の場所にありますが、まさに都会の中のオアシスといった感じ。ウォーキングやジョギングの途中に参拝されている方もみうけられます。


浄真寺山門
境内を進むと、紫雲楼とよばれる立派な仁王門が現れました。


浄真寺山門・金剛力士像(阿形)浄真寺山門・金剛力士像(吽形)
門には赤い仁王像が待ち構えています。


浄真寺山門
門の裏側に回ると、上に登るための階段をみつけました。案内板によるとは「当山に参詣される人々は、この楼上に安置してある阿弥陀如来と二十五菩薩に迎えられ、三仏堂へと足を運ぶこととなる。すなわち紫雲の門より内は荘厳の浄土(彼岸)であるとこと示している」とあります。もちろん楼上に登ることはできませんが、この案内板に従ってまずは三仏堂へと向かうことにします。


浄真寺三仏堂
三仏堂は境内の一番奥にありました。立派な阿弥陀堂が3つ並んで配されています。


浄真寺三仏堂
向かって左から下品(げぼん)堂・上品(じょうぼん)堂・中品(ちゅうぼん)堂と別れており、これらを総称して三仏堂と呼ぶようです(画像は上品堂)。


浄真寺三仏堂(下品堂)
それぞれのお堂には、阿弥陀如来が3体ずつ、合計9体の阿弥陀様が祀られています。これが「九品仏」といわれる由縁です(画像は下品堂内部)。

(※お寺の方に確認したところ、写真撮影OKでした)


浄真寺三仏堂(上品堂)
浄土教における極楽往生の考えでは、極楽世界に往生する者を、日頃の努力や心がけなどによって、上品上生、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生と9つの階層(九品)に分けられています。この9つそれぞれの階層あわせ、阿弥陀如来も9体祀られていというわけです。


浄真寺阿弥陀如来像(上品上生)
阿弥陀様は9体それぞれお顔や印相が異なっています(画像は上品上生)。いずれも江戸時代の作です。


浄真寺・九体阿弥陀
そもそも、このような九体阿弥陀が多く作られたのは平安時代のこと。しかし、そのほとんどが焼失しています。現存するのは南山城の浄瑠璃寺の九体阿弥陀(平安時代)と、ここ浄真寺のものだけだそうです。


浄真寺本堂
三仏堂の正面には本堂があります。本堂は現世の此岸を、三仏堂は浄土の彼岸が現されています。3年に一度行われる「お面かぶり」という行事では、本堂と上品堂の間に橋が渡され、菩薩の面をかぶった僧侶らが渡り、菩薩の来迎の様子を表すそうです。正式には二十五菩薩来迎会といい、奈良の當麻寺や久米寺で行われる練供養に似た行事のようです。


浄真寺本堂
拝観料は必要ないようなので、お賽銭を少し多めに入れて本堂へと上がらせていただきます。


浄真寺本堂
こちらのご本尊は釈迦如来像です。浄真寺の開祖の珂碩上人の作と伝わる像で、江戸時代の作です。


浄真寺・五劫思惟阿弥陀像
そして、ご本尊の左奥には五劫思惟阿弥陀様がいらっしゃいました。この阿弥陀様は「五劫」という長い時間修行をされた結果、螺髪(頭髪)が伸び、アフロヘアの様になっておられます。


浄真寺五劫思惟阿弥陀像
これまで私が拝観した五劫思惟阿弥陀像の印相は、東大寺の像のように胸前で合掌しているものか、五劫院の像のように衣の中に手を隠されている(衣の中で定印を結んでおられる)もののいずれかでしたが、浄真寺の像は普通に衣から手を出して定印(上品上生)を結んでおられました。


浄真寺五劫思惟阿弥陀像
いずれにせよ五刧思惟阿弥陀像は作例が少なく、ほとんどが近畿圏に集中しています。関東で五刧思惟阿弥陀像を拝観できるのはここぐらいではないでしょうか。


浄真寺本堂
さて、本堂内で目を引くのは、仏像や仏具だけではありません。


浄真寺・きゅっぽん
ある意味目立っていたのは、このゆるキャラ。
「九品(きゅっぽん)」というそうです。


浄真寺・御朱印
御朱印は「九体仏」ではなく、こちらをいただきました。
「五劫思惟」



浄真寺(じょうしんじ) 見仏メモ

■別称:九品仏浄真寺
■住所:東京都世田谷区奥沢7-41-3
■山号:九品山
■宗派:浄土宗
■本尊:釈迦如来
■創建:延宝6年(1678年)
■開基:珂碩上人
■拝観時間:8:00~17:00
■拝観料:なし
■駐車場:あり
■交通:東急大井町線九品仏駅より徒歩2分
    東急東横線自由が丘町駅より徒歩10分

■今回見仏した御仏
 【本堂】
  ・釈迦如来坐像- 東京都指定文化財、江戸時代、木造
  ・五劫思惟阿弥陀如来坐像- 世田谷区指定文化財、江戸時代、木造
 【三仏堂】
  ・阿弥陀如来坐像(9躯)- 東京都指定文化財、江戸時代、木造

■関連サイト:【九品仏 浄真寺 | Facebook】

■地図
 

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