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ならまち育ち。長年東京に暮らすも、現在は奈良に戻り、その魅力を再発見中。「見仏記」の影響で仏像鑑賞が趣味に。

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香薬師像の右手


昨年の10月末に「香薬師像の右手 失われたみほとけの行方」(貴田正子著、講談社)という本が出版されました。この本は元産経新聞の記者である著者が、戦時中に新薬師寺から盗まれて行方不明となっている香薬師立像の「右手」を発見までの経緯をまとめたドキュメンタリーです。

新薬師寺の香薬師立像は白鳳の最高傑作と言われていいる美仏で、光明皇后の年持仏だったとされるものです。この像は過去3度の盗難に遭い、戦時中の昭和18年に3度目の盗難でその行方がわからなくなっています。私も昨年の「白鳳展」で模刻像を拝見した際に初めて盗難事件のことを知りました。

行方不明となって既に70年以上の歳月が経っていますが、本書では過去の盗難事件の記録はもちろん、香薬師の模刻が作られた経緯や過程などもこと細かく調べられています。そうした調査の過程からヒントを得、「右手」の所在を突き止めるまでの展開は非常にスリリングで、一気に読み干せるほどの面白い内容でした。


なら仏像館
さて、その発見された「香薬師の右手」が12月27日より「なら仏像館」(奈良国立博物館)にて公開されるという新聞記事を読み、さっそく奈良博へと行ってきました。


なら仏像館前の鹿
香薬師の右手は、第5室に新薬師寺蔵の「仏手」として展示されていました。ガラス越しに見るその右手は、とても小さくかわいらしいものでした。しかし、右手を見ているだけでもこの白鳳仏の素晴しさが伝わってくるような気がします。著者の貴田さんは「これからも私は香薬師像の行方を追う取材を続ける」と締めくくられています。一日も早く香薬師像の本体が発見され、美仏の全体像を拝める日が来ることを願うばかりです。


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