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Author:ichibou
ならまち生まれ。東京暮らしが長かったものの、現在は奈良に戻り、その魅力を再発見中。「見仏記」の影響で仏像鑑賞が趣味に。

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路線バスで巡る奈良の社寺(1) - 薬師寺の正しい参拝作法とは!?

奈良・大和路2-Day Pass
ここ数年は1月か2月に雪のある地方を目指して旅に出ていたのですが、今年はまとまった休みがとれそうにありません。そこで今回はバスのフリー乗車券を使って県内の社寺を巡り、ちょっと旅気分を味わうことにしました。購入したのは奈良交通の「奈良・大和路 2-Day Pass」(1500円)。これは奈良公園・西の京・法隆寺にくわえ、明日香・室生・山の辺の道エリアが2日間乗り放題となるパスです。


薬師寺バス停
JR奈良駅でパスを購入し、まず向かったのは薬師寺です。薬師寺へ向かうバスは「六条山」行(1時間に2本)か「法隆寺前」行(1時間に1本)となりますが、それぞれ最寄りのバス停が異なります。今回乗ったのは六条山行き。西ノ京駅の一つ手前の「薬師寺(玄奘三蔵院伽藍前)」停留所で下車しました(法隆寺前行きの場合は「薬師寺東口」と「薬師寺駐車場」に停まるようです)。


薬師寺入口
薬師寺の境内は大きくわけて白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍の二つに分かれますが、バス停から20メートルほど歩くと玄奘三蔵院伽藍の入口がありました。


薬師寺・梅並木
門をくぐると梅の木が並んでいます。梅の花もそろそろほころんでいる様子です。


薬師寺玄奘三蔵院伽藍
梅並木を抜けるとすぐに視界が広がり、玄奘三蔵院伽藍が見えてきます。


玄奘三蔵院伽藍公開日程
しかし玄奘三蔵院伽藍の公開日は限られており、この日は公開にではありませんので、このまま白鳳伽藍へと向かいます。


薬師寺拝観受付
連絡口の門をくぐって公道を渡ると拝観受付(北受付)があります。ここで800円を納めて白鳳伽藍の境内へと進みます。


東僧坊前の梅
こちらの境内にも梅が植えられていました。なかには開花が進んでいる木もありましたが、全体的にはまだ二、三分咲きといったところでしょうか。
(訪問したのは2月17日)


薬師寺境内
さて、薬師寺は680年、天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願い、藤原京内(現・本薬師寺跡)に創建され、平城遷都に伴い現在地に移されたとされています。それゆえ、薬師寺には白鳳仏が数多く残されています。


大講堂
東僧坊を通り抜け、まずは大講堂へと向かいました。ここには白鳳時代の弥勒三尊像が祀られています。御朱印をいただくのもこの大講堂となります。



薬師寺金堂
そして次は金堂です。こちらには和辻哲郎が『古寺巡礼』にて「東洋美術の最高峰」と賞賛した薬師三尊像(国宝)が祀られています。薬師如来を中央に、向かって右が日光菩薩、左が月光菩薩となります。


薬師如来坐像台座模型
また、薬師如来様が座っておられる台座は、制作当時(697年に完成)の国際交流が推察できる大変珍しものとしても知られています。
(画像は東僧坊内に展示されているレプリカ)


薬師如来坐像台座模型・上框部
まず最上部にはギリシャの葡萄唐草文様が、その下にはペルシャの蓮華文様が見られます。


薬師如来坐像台座模型・腰部
中段にはインドから伝わったといわれる力神(蕃人)の裸像が浮彫りされています。アフロヘアのような髪型をしており、なにやら南方系の原住民を思わせるような容姿でもあります。


薬師如来坐像台座模型・下框部
さらにその下には中国から伝わったという四神(青竜、白虎、朱雀、玄武)がそれぞれの方角に彫刻されています(画像は朱雀)。

このようにこの台座にはギリシャ、ペルシャ、インド、中国といった国々から伝わった文様が集約されており、シルクロードが奈良まで続いていたこと物語っているといわれています。


西塔
さて、薬師寺の伽藍配置は、金堂とともに二つの塔が伽藍の中心(回廊内)に配された二塔一金堂式となっています。こちらの西塔は昭和56年(1981)に復興されたものです。

(参考)西塔再建工事中の写真を過去記事【36年前の奈良の寺】にて紹介しています。


東塔
一方、東塔は薬師寺に現存する最古の建物ですが、現在は解体修理中。この東塔を巡っては藤原京からの移築か、平城遷都後の新築かの論議がありましたが、昨年12月に奈良文化財研究所から発表された調査結果では8世紀前半に伐採されたヒノキ材が用いられていることが判明し、新築説が確定的になったそうです。


東院堂
そして金堂と両塔を囲んだ回廊の東には東院堂があります。昭和以降に復元された朱塗りの建物が多い薬師寺のなかにあっては、古色蒼然たるたたずまいが逆に目をひきます。こちらは鎌倉時代に再建されたお堂で、国宝にも指定されています。


聖観音立像(レプリカ)
この東院堂の中央の大きな厨子に祀られているのが和辻哲郎が『古寺巡礼』にて「恐らく世界に比類のない偉大な観音」と表現した聖観音菩薩像(国宝)です。堂内では、そんな偉大な観音を間近で拝観することができます。まわりに立つ鎌倉期の四天王像もなかなかの迫力で見逃せません。
(画像は東京国立博物館に展示されていたレプリカ、実物はもっと黒いです)


中門
東院堂を出て回廊沿いに西へ進むと、中門があります。


中門の二天王像(阿形)中門の二天王像(吽形)
その中門には平成3年に復元されたという二天王が立っています。


中門の二天王像(吽形)の邪鬼
その足元の邪鬼がなかなか良い表情をしてたので、思わずアップで撮影。
こちらは吽形像に踏まれている邪鬼。


中門の二天王像(阿形)の邪鬼
一方、阿形像に踏まれているのがこちらです。
泣きそうな表情がいい感じです。


薬師寺南門
さて、薬師寺をに参拝するのは今回で3度目になるのですが、薬師寺を守護する休ケ岡八幡宮にはまだお参りしたことがありません。そこで、帰りに休ケ岡八幡宮にも参拝すべく、入ったのとは逆の南門から外へと出ました。


休ケ岡八幡宮
狭い路地のような道を抜けると休ケ岡八幡宮がありました。こちらは寛平年間(889~898)に大分県の宇佐から現在地に勧請されたそうです。なら仏像館で何度かお見かけしたことがありますが、奈良博に寄託中の国宝の三神像(僧形八幡神、神功皇后、仲津姫命)はこちらの御祭神です。


休ケ岡八幡宮前の看板
ところで、休ケ岡八幡宮の前で、このような看板を見つけてしまいました。

「古来より、薬師寺への参拝の際は、まず、ご鎮守様である休ケ岡八幡宮に詣で、身を清めてから、というお作法が伝えられております」

なんと、作法に反して一番最後にここにきてしまったことになります。それならそうと先に教えてくださいよ、薬師寺さん(笑)次回は忘れず休ケ岡八幡宮からお参りしたいと思います。ちなみに休ケ岡八幡宮へバスで行く場合は、「薬師寺駐車場」停留所が一番近いようです。


休ケ岡八幡宮前の踏切
帰りは神社の目の前にある踏切を渡り西ノ京駅へ。「西ノ京駅」バス停より「春日大社本殿」行きのバスに乗車して帰途につきました(来る時に降りた「薬師寺」停留所は一方通行のため奈良駅方面行のバスは停まらないので要注意)。この後は所用があったので、寺社巡りは一旦中断。初日は薬師寺を拝観しただけで終了しました。


薬師寺の御朱印
最後にいただいた御朱印です。
「薬師如来」



薬師寺(やくしじ) 見仏メモ

■住所:奈良市西ノ京町457
■宗派:法相宗(大本山)
■本尊:薬師三尊(国宝)
■創建:680年(天武天皇9年)
■開基:天武天皇(勅願)
■拝観時間:8:30~17:00
■拝観料:800円(玄奘三蔵院伽藍公開時は1100円)
■駐車場:あり(有料)
■交通:近鉄橿原線西ノ京駅下車
    近鉄・JR奈良駅から奈良交通バス
     ・「六条山」行→「薬師寺」で下車
     ・「法隆寺前」行→「薬師寺東口」もしくは「薬師寺駐車場」で下車

■今回見仏した御仏
  ・薬師三尊像 - 国宝、白鳳時代、銅造 (金堂)
  ・聖観音立像 - 国宝、白鳳時代、銅造 (東院堂)
  ・四天王像 - 鎌倉、木造 (東院堂)
  ・弥勒三尊像像 - 重文、白鳳~天平時代、銅造 (大講堂)

■公式サイト:【奈良薬師寺 公式サイト】

■地図
 

■関連書籍
   
 薬師寺は「古寺巡礼」、「見仏記」、「見仏記6」にて紹介されています。

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THEME:古寺巡礼 | GENRE:旅行 |

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