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Author:ichibou
ならまち生まれ。東京暮らしが長かったものの、現在は奈良に戻り、その魅力を再発見中。「見仏記」の影響で仏像鑑賞が趣味に。

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円成寺で運慶作大日如来をのぞき見る

忍辱山バス停
お盆休みにバスで円成寺へ。車内でもアナウンスされていましたが、最寄りのバス停は「円成寺口」ではなく、一つ先の「忍辱山」(にんにくせん)となります。「忍辱山」は円成寺の山号であり、この辺りの地名ともなっています。


円成寺・門
バス停を降りるとすぐに、小さな門があります。この門をくぐると円成寺の庭園へと入れますが、今回はこの門からは入らず、さらに国道を少し歩きます。


円成寺
そして、駐車場側の入口より境内へと進みました。


円成寺・庭園
石段を降りると木々の向こうに楼門が見え、その前には美しい庭園が広がっています。この庭園は平安時代末期に造成されたといわれる浄土式庭園。池のこちらが此岸で、池の向こうが彼岸の浄土世界ということになります。先ほどの門から入らなかったのは、此岸から池を越えて彼岸へ参拝させていただこうと思ったからです。


円成寺・楼門
さて、この立派な楼門は室町時代に再建されたもので重要文化財に指定されています。しかし、現在この門からは境内に入ることはできません。


円成寺・入口
楼門の少し手前にあるこの石段を登ると受付があるので、ここで拝観料を納めます。


円成寺・境内
円成寺は、寺伝によると756年に聖武上皇・孝謙天皇の勅願により、鑑真の弟子にあたる唐僧・虚瀧(ころう)が開山したとされています。


円成寺・本堂
本堂は室町時代の建築です。兵火で焼失した平安後期に建てられた本堂と同じ姿に再建されているといいます。堂内に入ると、正面の厨子内に半丈六の阿弥陀如来坐像が祀られ、内陣の四本柱には、聖衆来迎二十五菩薩の姿も描かれています。現在は古色蒼然とした堂内も、かつては大変きらびやかに浄土の世界が映し出されていたのでしょう。


円成寺・パンフレット
ご本尊の阿弥陀如来像は平安時代後期のもので、定朝様の優雅なお姿です。繊細な模様の光背も美しく、お寺のパンフレットの表紙にもなっています。


円成寺・本堂
そしてご本尊を祀る須弥壇の四方には四天王立像も配されています。こちらは鎌倉時代のもの。岩座に立っており、邪鬼は踏んでいません。


円成寺・本堂
この他本堂内には、開山当初の本尊と伝わる十一面観音立像や南無仏大師像(聖徳太子二歳像)なども祀られていました。


円成寺境内
本堂をでて、次はいよいよ多宝塔へと向かいます。


円成寺・多宝塔
かつては後白河法皇が寄進したという多宝塔があったそうですが、これもまた兵火によって焼失しています。


円成寺・多宝塔
現在の塔は1990年に再建されたもの。塔内には運慶作の大日如来坐像(国宝)が祀られています。


円成寺・多宝塔
一般の参拝者は塔内に入れないので、外から拝観することになります。しかし、塔の扉口がガラス張りになっているため、天気の良い日などは光が反射して中がよく見えません。


円成寺・大日スコープ
そんな時に活躍するのこちらのアイテム。VRメガネ・・・ではなく、紙製のぞきメガネです。「ガラス面に押し当ててのぞいてください」と書かれているのでその通りにのぞいてみると、反射する光がさえぎられ、中の大日如来像はもちろん、極彩色に彩られた多宝塔内部の様子も良く見えます。お寺ではなんと呼ばれているのかわかりませんが、「のぞきメガネ」というのも無粋なので、円成寺名物「大日スコープ」とでも名づけてみてはいかがでしょう。


運慶展チラシ
それはさておき、塔内に祀られている大日如来は、若き運慶による傑作です。「大仏師康慶 実弟子運慶」との墨書が発見されており、運慶25歳ごろの作だということです。先ほど見た定朝様の阿弥陀如来はふくよかで優しい印象でしたが、こちらはりりしくシャープな印象。智拳印を結んだ指先にはすごいパワーが秘められているように思えてなりません。この秋には東京国立博物館へお出ましになられるとのことなので、「大日スコープ」なしでじっくり拝めるチャンスです。


春日堂・白山堂
大日如来をのぞき見た後は、本堂奥(東側)へと進みます。すると双子のような社が並んでいます。これは春日堂・白山堂という円成寺の鎮守社で、それぞれ春日大明神と白山大権現が祀られています。この二つの社は鎌倉時代に春日大社の本殿を移築したものだそうです。


円成寺・春日堂
春日大社は20年に一度の式年造替で社殿が建て替えられた際に、旧社殿を関係の深い神社に移築しする習わしがあります(ただし、現在は国宝・重文指定されている社殿は移築はできない)。これは「春日移し」と呼ばれます。その事例は多く、珍しいことではないようですが、ここ円成寺に移された社殿は現存する最古の春日造の社殿だそうで、国宝にも指定されています。


円成寺・桔梗
そして最後に不動明王が祀られる護摩堂を拝観。護摩堂や受付の周辺ではちょうど桔梗が咲いておりました。


円成寺・御朱印
こちらは、いただいた御朱印です。
「阿弥陀如来」


食事処「里」
参拝後は境内にある食事処「里」にて、庭園を眺めながらかき氷をいただきました。ここで休憩した後は奈良市内まで歩いて戻る予定ですが、その話はまた後日。



円成寺(えんじょうじ) 見仏メモ

■住所:奈良市忍辱山町1273
■山号:忍辱山(にんにくせん)
■宗派:真言宗御室派
■本尊:阿弥陀如来
■創建:天平勝宝8年(756年)
■開基:虚瀧(聖武上皇・孝謙天皇勅願)
■拝観時間:9:00~17:00
■拝観料:400円
■交通:JR・近鉄奈良駅より、忍辱山方面行きバスで「忍辱山」下車
■駐車場:あり(無料)

■今回見仏した御仏
 【本堂】
  ・阿弥陀如来像 - 重文、平安時代、木造、像高145.4cm
  ・四天王立像 - 重文、鎌倉時代、木造、像高114~118cm
  ・南無仏太子立像 - 県指定文化財、鎌倉時代、一木造、像高88cm
  ・十一面観音立像 - 平安時代、一木造、像高106.5cm、旧本尊
  ・十一面観音立像 - 鎌倉時代、一木造、像高176.3cm
  ・薬師如来立像 - 平安時代、一木造、像高74.8cm

 【多宝塔】
  ・大日如来坐像 - 国宝、平安末期、寄木造、像高98.8cm

 【護摩堂】
  ・不動明王立像- 県指定文化財、南北朝時代、木造


■公式サイト:【忍辱山 円成寺】

■地図
 

■関連書籍
 
 円成寺は「見仏記5 ゴールデンガイド篇」にて紹介されています。

■関連DVD
 
 円成寺は「新TV見仏記 ~平城遷都1300年スペシャル~ 1奈良編
 にて紹介されています。

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