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ならまち育ち。長年東京に暮らすも、現在は奈良に戻り、その魅力を再発見中。「見仏記」の影響で仏像鑑賞が趣味に。

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木津川市の仏像めぐり(2)  海住山寺の十一面観音立像

海住山寺への道
現光寺の次は海住山寺(かいじゅうせんじ)へと向かいました。海住山寺は恭仁京(跡)を見下ろす山の中腹に位置します。国道163号線からは看板に従って、まずは集落内の細い道路を進むことになります。


海住山寺参道
集落を抜けると、次は急な坂道を登ることになります。ここはまだ序の口で、この先は車やバイクでもキツイ勾配となっていました。とはいえ車だと4、5分も登れば駐車場に到着しますが、バスで来ると停留所はこの坂より下にあるので、急坂を延々登る覚悟が必要となります。


海住山寺境内
さて、海住山寺は、東大寺の大仏造立の成功を願う聖武天皇の勅願で、良弁(東大寺の初代別当)によって平城京の鬼門にあたる地に建てられたお寺です。当初は藤尾山観音寺という名前で、1208年に貞慶(解脱上人)によって中興された際に、補陀洛山海住山寺の名に改められたそうです。


海住山寺五重塔
特別拝観料800円を納め、まずは五重塔から参拝させていただきます。この五重塔は室生寺の五重塔に次いで日本で二番目に小さいもの。鎌倉時代に建てられたもので、国宝です。


海住山寺五重塔特別開扉
特別公開期間中は、初層の扉が開かれています。


海住山寺本堂
次はお隣の本堂へ。本堂は明治になってからの建築です。


海住山寺・狛犬
本堂前には狛犬が鎮座しています。この狛犬の表情はなかなかユーモラス。飼い主に甘えている犬のようにも見えてしまいます。


海住山寺・本堂
お堂に上がると、薄暗い内陣にまず現れるのが飯縄(いずな)大権現です。小さな御厨子の中に祀られているこの像は、天狗のようなお顔で、蔵王権現のように右足を上げ、白い狐の上に乗っておられます。そして、その隣の大きな御厨子の中にはご本尊の十一面観音立像が祀られています。目が細く頬がふっくらした穏やかな表情の観音様でした。


海住山寺・特別開扉ポスター
さらに本堂の左奥には仏像や仏絵、古文書などの寺宝が並べられています。そのなかには寄託先の奈良博から年に一度の里帰りをされている十一面観音様(上のポスターの像)もいらっしゃいました。こちらは元々奥の院に祀られていた像で、45センチほどの小さな像です。京博の特別展やなら仏像館では何度かお目にかかっていますが、海住山寺ではガラスケースにの中で納められ、電球色のLED照明がほどよく下からあてられていました。淡い暖色系の灯のなかに浮かび上がったそのお姿は、まるで燈明の灯の元で拝観しているようで、たいへん厳かな雰囲気でした。


海住山寺・文殊堂
本堂に続いては文殊堂を拝観。こちらも鎌倉時代に建てられた重要文化財。


海住山寺・文殊堂の絵馬
ここには文殊菩薩だけでなく、蓮座に座った地蔵菩薩も置かれていいました。このお地蔵さんは普段は本堂にいらっしゃる方だと思われます。特別公開中は里帰り中の十一面観音さんに場所を譲られているようです。


海住山寺・なすのこしかけ
その文殊堂の近くには巨大な茄子が置かれています。子供用の遊具にも見えなくはないですが、これは「なすのこしかけ」というもので、これに座って願をかけると、その願いが叶うそうです。茄子の花は一つの無駄も無く実を結ぶことと、「成す」と語呂が同じところから、縁起が良いとされているようです。


海住山寺・本坊
最後に境内の奥にある最後に本坊に向かいました。ここでは襖絵などが公開されていました。例年ですと、先ほどの十一面観音像と同様に奈良博に寄託されている四天王像も里帰りされてここで公開されるそうですが、今年は東京の「運慶展」お出ましになられています。


海住山寺・本坊庭園
本坊からは庭園も眺められます。美しい庭の木々は少し色づき始めていました。私が訪問したのは11月1日でしたが、会期終盤(公開は11月12日まで)だと紅葉も楽しめそうです。


海住山寺・御朱印
御朱印は本坊でいただきました。
「十一面観音」



海住山寺(かいじゅうせんじ) 見仏メモ

■住所:京都府木津川市加茂町例幣海住山20
■山号:補陀洛山
■宗派:真言宗智山派
■本尊:十一面観音(重文)
■開基:良弁(聖武天皇勅願)
■中興:貞慶(解脱上人)
■拝観時間:9:00~16:30
■拝観料:400円(本堂拝観) ※ハイキング・写真撮影・散策等の場合は入山料100円
■五重塔開扉と特別公開:毎年10月最終土曜日から10日間
     (※2017年度は10月28日~11月12日、特別拝観料は800円)
■交通:JR加茂駅より、木津川市コミュニュティバス奥畑線「海住山寺口」バス停下車、徒歩20分
■駐車場:あり(無料)

■今回見仏した御仏
  ・十一面観音菩薩立像 - 重文、平安時代、木造、像高167.9cm
  ・十一面観音菩薩立像 - 重文、平安時代、木造、像高45.5cm、奈良国立博物館寄託 ※特別公開
  ・飯縄大権現立像 - 木造 ※特別公開
  ・地蔵菩薩坐像 - 鎌倉時代、木造
   他、多数

■公式サイト:【海住山寺 | かいじゅうせんじ】

■地図
 

■関連書籍
 
 海住山寺は「見仏記5 ゴールデンガイド篇」にて紹介されています。

■関連Blu-ray
 
 海住山寺は「新TV見仏記17京都・南山城の隠れ仏編」にて紹介されています。

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THEME:古寺巡礼 | GENRE:旅行 |

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