新薬師寺で「おたま地蔵」を拝観
先日、「うまし冬めぐり」キャンペーンの企画で新薬師寺へ行ってきました。今回参加したコースは僧侶の案内付きで本堂を早朝拝観し、さらには通常非公開の香薬師堂も拝観できるというものです。地元の人間がわざわざ新薬師寺の拝観ツアーに参加することもないのですが、香薬師堂で「おたま地蔵」が特別拝観できるというので迷わず飛びつきました。というのも「TV見仏記 10 奈良/京都・宇治編
」DVDでおたま地蔵の存在を知って以来、一度実物を拝んでみたいと思っていたからです。

さて、早朝拝観ということで当日は朝7時20分の集合。それでも参加者は20人以上は集まっており、なかなかの盛況ぶりです。

受付をすませてしばらく待っていると、門が開き、参加者全員で本堂へと移動します。

そして、ご本尊薬師如来様の前に座り、まずは僧侶と共に般若心経を唱えます。読経が終わると、そのまま僧侶の方による解説もありました。私の座った場所は、ご本尊のほぼ真正面。しかも右手には伐折羅大将の姿も良く見えるベストポジション。ここに40分ぐらいは座っていたでしょうか。正座をしたままだったので少々足は辛かったですが、じっくり国宝仏と向き合うことのできる貴重な時間を過ごすことができました。

さて、本堂での自由拝観が終わると、次はいよいよ香薬師堂のほうに案内されます。

この香薬師堂のご本尊は香薬師像です。しかし、白鳳時代の最高傑作ともいわれるその香薬師像は昭和18年に盗難にあっており、現在閉じられた御厨子の中に入っておられるのは複製の像とのことです。本物は今も行方不明のままですが、一昨年に右手だけが発見され話題となりました。
(参考記事:【香薬師像の右手】)

さて、この香薬師堂には他も珍しいお地蔵様が二体安置されています。一つが「景清地蔵」で、もう一つが今回お目当ての「おたま地蔵」ということになります。驚くべき点は、この「おたま地蔵」は「景清地蔵」の胎内から発見された像という点です。
景清地蔵は、錫杖のかわりに弓を持つという珍しいお地蔵様です。「景清」とは平家の武士で、大仏開眼供養に参列する源頼朝を暗殺しようと、東大寺の転害門にひそんでいたものの結局は果たし得なかった人物です(これにちなんで転害門は景清門とも呼ばれる)。その景清ゆかりの像との伝わるのがこの景清地蔵です。
昭和の終わり頃、この景清地蔵を修理のためにX線調査をしたところ、像内にもう1体の像が入っていることが初めてわかったそうです。その中にはいっていたという像がのちに「おたま地蔵」とよばれる裸形のお地蔵さまだったということです。

奈良市内には、伝香寺の着せ替え地蔵や、璉珹寺の白色阿弥陀仏など他にも裸形の仏様はいらっしゃいます。しかし、これらは木造の像に布の衣を着せる形ですが、おたま地蔵の場合は木造の像に木の衣を着せるという珍しい形になっています。
なお、頭部と胸の一部は二体の像で共用していたので、本来の頭部はそのまま景清地蔵につけられ、おたま地蔵の頭部は補作となってるそうです。この補作の頭部は「せんとくんの作者と同じ」とのお話でしたので、籔内左斗司氏の作だと思われます。
そして、この裸形のお地蔵様の局部はどうなっているのかというと、蓮の花の蕾をかたどったものがつけられています。この蕾は「おたま」と呼ばれ、かつては寺でレプリカも販売されていました。


「TV見仏記 10 奈良/京都・宇治編
」DVDでは、この「おたま」レプリカをみうらじゅん氏が入手する様子も納められています。10年以上前のDVDなので、すでに中古しか流通していないようですが、ご参考まで。

さて、早朝拝観ということで当日は朝7時20分の集合。それでも参加者は20人以上は集まっており、なかなかの盛況ぶりです。

受付をすませてしばらく待っていると、門が開き、参加者全員で本堂へと移動します。

そして、ご本尊薬師如来様の前に座り、まずは僧侶と共に般若心経を唱えます。読経が終わると、そのまま僧侶の方による解説もありました。私の座った場所は、ご本尊のほぼ真正面。しかも右手には伐折羅大将の姿も良く見えるベストポジション。ここに40分ぐらいは座っていたでしょうか。正座をしたままだったので少々足は辛かったですが、じっくり国宝仏と向き合うことのできる貴重な時間を過ごすことができました。

さて、本堂での自由拝観が終わると、次はいよいよ香薬師堂のほうに案内されます。

この香薬師堂のご本尊は香薬師像です。しかし、白鳳時代の最高傑作ともいわれるその香薬師像は昭和18年に盗難にあっており、現在閉じられた御厨子の中に入っておられるのは複製の像とのことです。本物は今も行方不明のままですが、一昨年に右手だけが発見され話題となりました。
(参考記事:【香薬師像の右手】)

さて、この香薬師堂には他も珍しいお地蔵様が二体安置されています。一つが「景清地蔵」で、もう一つが今回お目当ての「おたま地蔵」ということになります。驚くべき点は、この「おたま地蔵」は「景清地蔵」の胎内から発見された像という点です。
景清地蔵は、錫杖のかわりに弓を持つという珍しいお地蔵様です。「景清」とは平家の武士で、大仏開眼供養に参列する源頼朝を暗殺しようと、東大寺の転害門にひそんでいたものの結局は果たし得なかった人物です(これにちなんで転害門は景清門とも呼ばれる)。その景清ゆかりの像との伝わるのがこの景清地蔵です。
昭和の終わり頃、この景清地蔵を修理のためにX線調査をしたところ、像内にもう1体の像が入っていることが初めてわかったそうです。その中にはいっていたという像がのちに「おたま地蔵」とよばれる裸形のお地蔵さまだったということです。

奈良市内には、伝香寺の着せ替え地蔵や、璉珹寺の白色阿弥陀仏など他にも裸形の仏様はいらっしゃいます。しかし、これらは木造の像に布の衣を着せる形ですが、おたま地蔵の場合は木造の像に木の衣を着せるという珍しい形になっています。
なお、頭部と胸の一部は二体の像で共用していたので、本来の頭部はそのまま景清地蔵につけられ、おたま地蔵の頭部は補作となってるそうです。この補作の頭部は「せんとくんの作者と同じ」とのお話でしたので、籔内左斗司氏の作だと思われます。
そして、この裸形のお地蔵様の局部はどうなっているのかというと、蓮の花の蕾をかたどったものがつけられています。この蕾は「おたま」と呼ばれ、かつては寺でレプリカも販売されていました。
「TV見仏記 10 奈良/京都・宇治編
新薬師寺 見仏メモ
■名称:新薬師寺(しんやくしじ)
■住所:奈良県奈良市高畑町1352
■山号:日輪山
■宗派:華厳宗(別格本山)
■本尊:薬師如来像(国宝)
■創建:8世紀中期
■開基:光明皇后
■拝観時間:9:00~17:00
■拝観料:大人600円、中高生350円、小学生150円
■駐車場:あり(無料)
■交通:JR・近鉄奈良駅より市内循環バス「破石町」下車、徒歩10分
■公式サイト:【新薬師寺 公式ホームページ】
【奈良 うまし冬めぐり】
■地図
■関連書籍
新薬師寺は、見仏記シリーズに何度もとりあげられていますが、おたま地蔵についての記述があるのは1作目の「見仏記」です。
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